安心感のある構造と空間構成

避難時にわかりやすい動線計画
日常においてもパブリックスペースとして人々に親しまれる空間
優しい緑の緩衝壁によりまち並みを考慮

波力を緩やかに受け流すようなフォルムは、軽やかかつ、安心感のある構造を提案しています。しっかりとした杭に、波の浸食を防ぐ舗装と耐圧盤の上に主要構造を計画します。スロープと中央部の耐圧壁によるコア部分により垂直ボリュームを構成します。メインの避難階となる7階部分は広くとり、緊急時また日常にもゆったりと利用できるよう考慮しています。またショックアブソーバは緑の緩衝壁として、町並みをやわらかに演出します。避難塔がまちに親しまれる場として日常時にも利用されることで、緊急時の避難がよりわかりやすく、安全なものとなると考えています。

主要な避難階となる6階と7階は、緊急時には効率よく速やかに、近隣住民等を避難させるための諸室を整えています。6階には、各々の用途に必要なスペースの他に、緊急時のシャワー更衣室、緊急医務室、備品倉庫等を提案しています。主要設備は主に6階に設けることで災害時には、100人から200人の避難が可能であり、衛生を含めた安全性を確保されます。7階には、日常的には高齢者、子供、生徒、学生等様々な人々が利用できるコミュニティスペースを提供しています。 これらのスペースは緩やかなホワイエと中心部のテラスでつながれ、ヒューマンスケールを考慮した空間構成を提供します。また、東日本大震災の教訓を後世に伝えるための展示スペースやビデオルームを設けています。7階のキッチンスペースは、日常にも、また緊急避難時にも対応できる開かれたキッチンとして、各種イベントや、災害時の避難者への食事を提供できます。また、8階の展望塔に上る階段が設けられ、地上階からの垂直動線は、明解に誰もが理解できやすい動線を考慮しています。

8 月 2013
カテゴリー: 福祉
SHAA - おいらせ緊急避難等設計競技SHAA - おいらせ緊急避難等設計競技
Shoichi Hariu