この作品は、施設のビルディングタイプを超える老人たちの住まい=大きな家=まちと考え、楕円上の中庭とそれを取り囲む不規則なループ状のコモンスペース=みちを、町のインフラストラクチュアとした。コモンスペース(2層構成)は、食事、談話、訓練等のアクティビティーが仕切りなしで展開される空間とし、ヴォイドスラブを対応させた。中庭には、徘徊用のショートカットルートを設け、それに沿わせてケアステーションを計画し、中庭を通じて各ゾーンの老人たちを見守ることのできる「手を放しても目を離さない」さり気ないケアをめざす。個室以外の2、4床室ではコモンスペース側に坪庭を設け、採光、通風を考慮している。更に障子やロールスクリーンにより仕切り、個室化する。

外壁は外周をコンクリート打放し仕上げとし、室内から見える部分はアースカラーの左官仕上げと対比させた。中庭上部のリング状の屋根スラブをライトアップし、灯台のように近隣へのメッセージとする。

8 月 2000
カテゴリー: 福祉
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Shoichi Hariu