大学における学部間での隔たりをなくすため、施主である東北大学からはあるオープンスペースを設計するよう要請があった。そこでは、すべての学生や研究者達が授業間・学部間の垣根を越えて考えや研究に対しての意見交換ができることが目的とされた。

要望を実現するため、私たちはオープンラボラトリーと名付けた新しい研究課をつくり、そこで生徒や訪問者が自然の景観に囲まれる中共同で活動を行えるよう計画した。今後開発される地下鉄の駅や巨大なゴルフ場など、敷地周辺の環境の変化を十分に考慮し敷地計画を行った。これはある意味あらたな景観を生み出したと言える。

この連続した空間の流れをつくることで、新たな建築と周辺環境がリンクする心地よい屋外オープンスペースがつくられた。この研究課の実用的な機能は敷地北側に集約し、建物形状はアーチを成している。そこでは、オープンスペースは排除し、どちらかと言えばロフトに近いような教授と学生がコミュニケーション可能な空間を目指した。

各教室を分ける仕切りを必要とする場合には、パーティションを利用する。夏季の過度の冷房を避けるため、北側ファサードにはルーバーを取り付けた。構造においては、地震に十分耐えうるものとした。

1 月 2002
カテゴリー: 公共建築
SHAA - 東北大学情報科学塔SHAA - 東北大学情報科学塔SHAA - 東北大学情報科学塔SHAA - 東北大学情報科学塔
Shoichi Hariu