七ケ浜は「国際セミナーハウス」として自治省のリーディングプロジェクトに指定された。当初の計画は国際交流重視というプログラムでスタートしたが、途中から「七ケ浜らしさを育てることが、本来の国際交流ではないか」という視点に基づいて「町民もより積極的に参加しうる方向へ」と方向転換がなされた。さらに、米国・プリマス市との姉妹都市締結は、プログラムを組む上において重要な要素となった。

国際村は、管理、ワークショップ、セミナー、多目的ホール、レストラン、展示、共用の7つのゾーンと別棟の熱源機械室およびプリマスハウスからなる。平面構成では、7つのゾーンごとの機能や固有性を表現するために、室内からヴィスタの位置づけの検討を行い、天窓・光庭により分節化を図った。

コリドールやリフレクティングプールは各ゾーンを連結し、移動しながらのシークエンスを演出している。また小高い丘の上の建築群は、集落のように外部を取り込みながら連続している。さらに全景は既存樹木に遮られて、アイレベルではとらえられない配置計画とした。

多目的ホールは正八角形で577席の小ホールではあるが、舞台の後方に菖蒲田浜の海岸と海が眺望できるように検討を重ね配置している。また、屋外の「アンフィシアター」も小規模のコンサートなどに対応できるよう計画されており、レストランで食事をしながら楽しむことができる。

6 月 1993
カテゴリー: 公共建築
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Shoichi Hariu