敷地の形状をいかし、高低差を配慮した配置

動物公園の再整備計画図のBゾーンの主要部が今回の対象地 です。 動物公園全体に影響する課題の一つをこのBゾーンは抱 えています。それは、AゾーンとCゾーンをつなぐ来園者のルート がバリアフリーを前提とした場合、まったく確立されていない点で す。5人乗り程度の電動カ―トによる移動などと併用しながら、C ゾーンとBゾーンの約10mの高低差にはエレベータの設置が望 ましいと考え、それを次期計画として提案します。 また、エレベータ+スカイブリッジの設置は次期計画としていま す。 さらにその近くには高低差を利用してアンフィシアターを設 け、休憩の場、また様々なイベント時等のパフォーマンスの場とし たいと考え、これも次期計画として提案します。

樹木、植物、環境を守りながら配置を考慮 中央広場から北西側斜面一体は、青葉山丘陵の端部に位置し、 アカマツを主体とした樹林を形成し、更に竜ノ口渓谷から続く斜 面林として動植物の生息環境としても重要と考えられます。 今回の敷地は原則として、切土・盛土の造成を避ける方向で考 え、樹木に関しては特にアカマツ、コナラ林を残す方針とします。 建築及び工作物は、できるだけ樹木をかわして配置します。 放 飼場では、既存の樹木を取り込むことで動物、訪問者に安らぎを与 えます。

「森の回廊・広場」による、ゆるやかな動線

休憩場脇から西に向かって円弧状に「森の回廊」が中央広場を 囲みます。 ふれあい舎・セミナーハウスはこの「森の回廊」の主要 部分を構成する「森のギャラリー」(3.6mの幅の道空間)の両側に 展開します。この「森のギャラリー」は、次期計画で提案したスカイ ブリッジとエレベータへ連続し、Cゾーンへの乳幼児、妊婦、老人、 身障者等の社会的弱者の移動を助けます。 「森のギャラリー」の床は、天然リノリウム敷きとします。また「森 の回廊」は、木チップ舗装とします。「森の広場」は、できるだけ樹木 を残し、木チップを敷ならし、樹間を自由に歩き回れる広場としま す。

安全性を考慮した建築物の配置

セミナーハウスは、北西斜面側へ懸崖造りとしてはね出させま す。 一昨年の大震災は地形に逆らい、切土・盛土の造成をしたと ころが大きな被害に見舞われています。 同じ過ちを繰り返すこと のない様、配慮したいと考えています。 飲食、物販施設も、切土・盛土をしないで現状の地盤に則して配 置する計画です。 北西部の斜面は保存樹林ゾーンとして散策路 だけを設けます。

3 月 2013
カテゴリー: 公共建築
SHAA - 八木山動物公園プロポーザルSHAA - 八木山動物公園プロポーザルSHAA - 八木山動物公園プロポーザル
Shoichi Hariu